私たちは、体・心・魂からなる多次元的な存在です。皮膚の外にも、目に見えないエネルギー体や霊的次元が層をなし、主たるものは、神智学では4種類。体に近い方から、エーテル体、アストラル体、メンタル体、コーザル体です。自己探求や心や体の癒しを目指すなかで、これらの理解は、助けになります。それぞれの特性と役割を解説します。
目次
多次元に生きる私たち
私たちは、体・心・魂という多次元的な存在です。
目に見える肉体だけでなく、目に見えないエネルギー体が肉体を軸にしながら層をなして続いているんですね。
こんなお話を聞いたことがありませんか?
たとえば、特攻隊員が最期に「お母さん」と叫び、母は虫の知らせを感じた。
そんな悲しく、不思議なお話を。
怖い話だと、『源氏物語』でも描かれた、生き霊なんていうものもありますよね。
その人のことを恨めしい、恨めしいと思っていたら、病に倒れてしまうといった話です。
もっと身近な話だと、ふとその人のことを思っていたら連絡が来た、ということが日常生活で起きたりもしますよね。
あるいは、知りたいことが、いつも観ている動画や読んでいるブログのテーマになっていたとか。
これらは、エネルギー体としての私たちが、受け手の人たちに影響を与え、目に見えない交流が行われているからです。
そんなエネルギー体は、私たちの存在の異なる側面を表すだけでなく、カルマの解放にも関連しています。
カルマは、過去の行動や経験によって形成される因果関係の法則であり、個人の成長や魂の進化にも影響を与えます。
そこで、ヒーリング(癒し)や浄化への理解を深めるためにも、多次元として生きる私たちの側面を知っておくことは、大変役に立ちます。
参考:カルマとは何か?人生における3つの現れ方、カルマを解消する方法とは
エネルギー体を体系化した学問
私たちを体・心・魂の総体として捉える学問として有名なのは、神智学(しんちがく)です。
神智学(しんちがく)では、肉体とエネルギー体としての体のバランスと調和を重要視し、心の浄化と、内なる成長と進化を目指しています。
神智学とは?
神智学は、19世紀末にアメリカのヘレナ・P・ブラヴァツキー(Helena P. Blavatsky)を中心に創始された宗教・哲学の体系です。
宗教、哲学、科学、神秘主義の要素を統合して、人間の存在、宇宙の本質や魂の進化を追求する学問です。
シュタイナー教育で有名な教育者ルドルフ・シュタイナーも、神智学を学びました。
シュタイナーも、人間を物質的な体だけでなく、精神的なエネルギー体や霊的な次元を含む総体として捉えました。
彼は神智学の教えを基盤としながらも、独自の教育と芸術への関心を持ちました。
シュタイナーの人智学は人間の知性や精神的な能力の発展に焦点を当ています。
関心を寄せるのは、個人の内なる人間性の探求や人間と自然の関係、教育の改革です。
そこで、神智学の理論的なアプローチとは異なる道を歩むために、人智学を設立。最終的には、神智学から独立しています。
エーテル体、アストラル体、メンタル体、コーザル体
物質的な肉体だけでなく、エネルギー体や霊的な次元を含む私たち。
神智学では、以下の8種類の体を持つと考えられています。
1. 肉体
2. エーテル体
3. アストラル体
4. メンタル体
5. コーザル体
6. ブッディ体・キリスト体
7. アートマ体
8. モナド体
目に見える肉体の外側にも層をなすエネルギー場があり、目に見えない体は、7種類。
そして、主たる体は、4種類とされています。
体に近いほうから、エーテル体(気)、アストラル体(感情)、メンタル体(精神・思考)、コーザル体(信仰)です。
それぞれ解説していきます。
エーテル体とは?
エーテル体(気)は、物質である体とスピリチュアルな存在の橋渡しとなるエネルギーボディです。
目には見えませんが、体のバランスや健康に密接に関わっています。
オーラでいえば、第一層(最下層)にあり、肉体と直に接しています。
エーテル体の特性と役割
エーテル体は、肉体の周りに広がり、生命エネルギーや生気を取り込み、身体の機能や生命力を支えています。
つまり、物質としての体を保ち、アストラル体などの、より上位の体と結びつける役割を果たしています。
東洋の伝統的な思想や宗教において、「気(き)」や「プラーナ(प्राण)」は、エーテル体の概念に関連付けられることがあります。
これらは、生命力の流れであると同時に、個人を超えた宇宙エネルギーとして理解されることもあります。
ヨガやプラーナーヤーマ(呼吸法)は、プラーナの流れやバランスを整えるために行われます。
アストラル体とは?
アストラル体(感情)は、私たちの感情や情緒、欲望、想像力を含むエネルギーの次元です。感情的な体験や情動を反映しています。
アストラル体は喜び、悲しみ、恐怖、愛などの感情の表現を通じて存在します。
情緒体、または感情体、感覚体、星辰体などとも呼ばれます。
アストラル体の特性と役割
アストラル体はエネルギー的な身体であり、感情や思考、霊的な洞察を含む魂の体験を反映します。
アストラル体では、物理的な制約にとらわれず、時間や空間を超えた体験ができます。
つまり、夢や幻想、または瞑想状態での霊的な体験など、アストラル体を通じて行われることがあります。
これらの体験は自己探求やスピリチュアルな成長に重要な役割を果たします。
また、芸術や音楽、文学での創作活動も、アストラル体と関連づけられることがあります。
メンタル体とは?
メンタル体(精神・思考)は、思考、意識、知性などのエネルギーの次元です。
霊的な次元で存在し、目で見たり、触れたりすることはできません。
思考、知性、理性、意識などの能力を備えたレベルで、私たちの思考プロセスや知覚、意識の働きを反映します。
メンタル体の特性と役割
メンタル体は論理的思考、分析、創造性などを通じて存在します。
抽象的な概念や思考の形成、洞察、哲学的な探求などが行われるとされています。
つまり、分析能力や、論理的な推論や概念の形成、問題の解決などは、メンタル体の活動に結びついています。
また、情報を処理したり、記憶、学習、知識の統合などの領域もメンタル体が担当しています。
深い意味や目的の理解もメンタル体の活動の一環なので、宇宙の法則や真理に関する洞察など、霊的な洞察や啓示の次元にも関連しています。
つまり、私たちが行う思考、知識、洞察、創造力などがメンタル体と関連づけられます。
コーザル体とは?
コーザル体(信仰)は、肉体や感情、思考などを超えた、魂レベルの私たちのこと。
私たちの信念や精神性を表し、魂の成長と進化に関連しています。
原因や目的、魂の進化といった高次元にあり、生まれ変わりの記憶も刻まれています。
霊的な存在の意図や、目的を果たすために必要なエネルギーやパターンを保持しているんですね。
バシャールのいう、魂の青写真と似ていると思います。
参考:辛い現実から抜け出せない人へ。バシャール流の自己肯定感の高め方
そこで、コーザル体は、個別の人間存在を超えて、普遍的なレベルでつながり、魂の永遠性や、他の存在との関係性を示すとされています。
コーザル体の特性と役割
コーザル体は、出来事や結果の背後にある原因や意図を表し、エネルギーの流れや目的を制御すると考えられています。
カルマの概念
そこで、コーザル体は、カルマの概念と関連づけられることがあります。
カルマは、行動の結果として現れる法則であり、コーザル体が過去の行動や意図に基づいて未来の結果を引き寄せると考えられています。
コーザル体では、意図やエネルギーの流れを通じて、物質的な現実や出来事が創り出されると考えられています。
引き寄せの法則とコーザル体の関係
つまり、引き寄せの法則や、願望実現とも関連しています。
たとえば、ヨガの実践者は、サンカルパを通じて自分の心を集中させ、明確な意図を持つことで目標を達成しようとします。
サンカルパは、瞑想や肯定的なアファーメーションなどの技法において重要な役割を果たします。
サンカルパは単なる思考や願望以上の力を持ち、実現したい現実を創り出すためのエネルギーとして働くと信じられています。
コーザル体は、意図や目的を通じて、個人や集団が霊的な成長や進化を遂げるための経験や学びを引き寄せるとされています。
コーザル体は純粋な意識のレベルで存在し、魂の目的や学びを導きます。魂の奥深いレベルでの統合や目覚めを促し、個人の進化や宇宙の進化に寄与しています。
参考:プルシャとプラクリティ
まとめ
本記事ではエーテル体、アストラル体、メンタル体、コーザル体について解説しました。
これらの概念は、私たちを多次元的な存在として理解するために役立つものです。
それぞれが異なる特性や機能を持ち、霊的な成長や意識の深化に関係しています。
ヒーリングが玉ねぎの皮むきのようなのは、私たちは多次元からなる存在で、ヒーリングによって、癒す次元が深まっていくためです。
霊性の高い次元が癒されば癒されるほど、自分とともに、周囲(世界)への影響も大きくなっていきます。
そこで、自己探求や心や体の癒しや回復を目指すなかで、これらの概念を理解することは、助けになると思います。
参考:ハイヤーセルフと繋がる方法とは? 問題を解決する、自分を超えた答えのダウンロード法
お役に立てれば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。