アフリカで増える象牙のないゾウと私たちの牙について。

elephant

アフリカで牙のないゾウが増えているそうです。

その理由は、象牙狩りの密猟のため。

メスは牙をつくるかどうかを決めるX染色体を変えることができます。

そこで、密猟で殺されてしまわないためにメスのゾウたちが牙を失うことを選んだとか。

そして、牙がないメスは牙があるメスの5倍も生き残る可能性が高いのだそうです(日本経済新聞 1/23付け朝刊より)。

本来は、ゾウの牙は生存のために必要なものです。

牙を使って地面を掘って水を見つけたり、木の根からミネラルを得ることができるのです。

ゾウは樹皮も好物で、木の皮をはいで食べるときにも牙が役立ちます()。

でも、象牙があることで殺されてしまうのならどうでしょう?

密猟によってゾウの数は、1/10以下になってしまったそうです。

モザンビーグで象牙の密猟が横行したのが、内戦が続いた1977年から92年にかけて。ゾウの寿命は70年ほどと言われますから、たった半世代という短い間に、悲しき進化を経たのです。



ゾウの牙について考えるとき、私たちの個性のことを思います。

何かが好きだったり、嫌いだったり。

得意だったり、出来なかったり。

背が高かったり、低かったり。

目が青かったり、黒かったり。

若かったり、歳をとっていたり。

私たちの違いというのはそれぞれに意味があって、その人という存在であり価値なのだと思います。

つまりは、それはゾウの牙のようなもの。

参考:辛い現実から抜け出せない人へ。バシャール流の自己肯定感の高め方

だから社会が均一的な価値や評価を求めれば求めるほど、また自分がその価値観に乗っ取られそうになるときには、牙を失ったゾウのことを思います。

あなたがもしも自分であるということに疲れていたとしたら?

無理に大丈夫なふりをする必要はありません。

落ちるところまで落ちてもいいのです。

背伸びしなくてもいいし、中途半端なところがあってもいいんです。

ただそれはあなたの弱さではなく、

牙(強み)でもあるのだということを知っておいてほしいなと思います。

あなた以外には、あなたという感じ方をする人は誰もいないから。

そうして時がきたら、ちょっとだけ浮上してもらえたらいいな。

あなたらしく生きてほしいのです。

牙がないためにハンディキャップを負ったゾウはどうしているかというと、

代わりに鼻や歯を使って工夫して食事しているそうです()。

悲しくも、たくましいのです。

このように私たちの命というものには、プラスもマイナスも持てるだけの力があります。

それ以上の存在です。

自分自身に対して、自分について、正直であるようにしてください。

24時間365日あなたのことを見ている人は、たった一人。自分だけだから。

同時に、私たちの繁栄を優先しすぎて、壊してしまったゾウのことも思います。

私たちはゾウであり、ゾウは私たちでもあるからです。

このことは、先日亡くなったティクナットハン禅師に教えてもらいました。

彼は私にマインドフルネスを教えてくださった人です。

参考:意識の次元上昇はどんな状態で、何を指すのか?

今と同じ生活をするには、2030年には、地球2個以上の自然や資源が必要だとも言われます。

そこで未来を変える一つのカギとして注目されるのが、新たな資源を使わずにモノやサービスを生む意識や行動の変化。そこで生まれる循環型経済(サーキュラーエコノミー)です。

私なりの循環型経済の実験:マガジンハウス社員からホームレス編集者へ。居候生活と禅修行で始まったひとりベーシックインカム制度。4年間のわたしの“家賃ゼロ”という生存計画について

自分の中と外のプラスとマイナスの両方を知って明らめることが、

本当のポジティブなあり方だと思います。

無理して笑顔をつくる必要は、ないんです。