男性性と女性性エネルギーとは? 二極を統合させ、仲間と実現できる人になる方法

男性性と女性性のエネルギーを統合すると、仲間と実現できる人に。

東京オリンピックといえば、東京五輪組織委員会の森元会長の女性蔑視発言が記憶に新しいですが、あれは未熟な男性性エネルギーの代表例です。私たちの誰もが、男性性(ex.与える、自己主張、支配的、決断・実行する力)と女性性(ex.受け取る、直観的、思いやり、感受性)の両方のエネルギーを持っています。東洋医学では陰陽とも呼ばれるこの二極のエネルギーは、肉体的な性別とは関係なく、その人固有の最適なバランスがあります。その人に合った成熟した形で両エネルギーが統合されると、周囲との調和を感じながら、自分らしい人生を存分に生きることができます。ところが社会規範に従う自分と、本来のエネルギーバランスとにズレがあると、人間関係のもつれや生きづらさが生じます。そこで女性性のバランスが取れて育めるとき、男性性の調和が取れて実現できるとき、それぞれが崩れている状態、そして普段の生活でできる簡単なエネルギーの統合法についてお話しします。

社会規範や遺伝の傷が、本来のエネルギーバランスを崩す。

「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」という女性蔑視発言で辞任した東京五輪組織委員会の森元会長。これは未熟な男性性エネルギーの現れです。

時代錯誤的ではありますが、森さんだけが悪いわけではないんです。彼は、「女性とはこういうものだ」「男性とはこういうものだ」という社会の規範をストレートに学び、それに伴う信念体系を受け継いだ、ある時代のある文化の現れです。その人がいなくなったとしても、そういった信念体系が存在する限り、宿主や形を変えてつづいていきます。

例えば、「女性はおしゃべりだ」「女性は感情的だ」という信念には、「男性はストイックでなければならない」「男は泣いてはいけない」などの信念があるでしょう。きっとそれで闘ってこられたのでしょう。

「女性が委員会に多すぎる」という信念には、「男性はスポーツに興味を持たねばならない」や「男性は女性より、肉体的にも性的にも経済的にも優位にあらねばならない」という信念を教育されてきたのかもしれません。

世界に彼がひとりしかいなければ、そのような世界観を持つことはできません。これは、社会や教育に裏づけされたものであり、同時に彼の祖先の行動や心理的傾向も受け継いでいることでしょう。エピジェネティックス(遺伝子が反応を起こすかどうかを決めるon/offスイッチのようなもの)の研究によると、過去のトラウマ(自分のものであれ、先祖のものであれ)は、DNAに付着する分子の傷跡を残すことがわかっています。

もちろん、その信念を取り入れるかどうかは彼が最終決定を下すわけですから、彼に責任がないとはいえません。しかし、違和感に気づくこともなく、誤っていると言える環境にもなく、そういうものだと受け入れている信念体系は多いものです。その結果、自分本来のエネルギーバランスが崩れた状態になる言動パターンができて、なんとなく人生が苦しいものになっている。だから、「こうあるべきだ」という何かが頭の中に芽生えたとき、もしくは誰かに「当たり前だろう」と言われたとき、本当にそうだと思うのか、それを自分の信念に取り入れるものなのかと慎重にならなければなりません。



アンバランスさに気づくことが、人生を癒す第一歩。

「あなたは本当にそういう人ですか?」「この状態にあなたは心地よさと力強さを感じていますか?」。そのように自問自答し、まず自分の女性性エネルギーと男性性エネルギーのアンバランスさに気づくこと。そして信念と行動パターンを変えることで、自分のエネルギーバランスを取り戻すことができます。

例えば、男性性エネルギーは課題にフォーカスし、行動に移して目標を遂げようとします。女性性エネルギーは、受け容れたり、周りとのコミュニケーションを深めたりしながら協働します。両エネルギーのバランスが取れている人は、人を巻き込みながら課題を達成することができます。

より具体的に、各エネルギーの特徴とバランスが崩れた状態、統合させる方法についてお話しましょう。

女性性エネルギーの強みは、人の心を察する感性。

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女性性エネルギーは、内省的で内面的で、月のような存在です。女性性エネルギーが強い人は、感受性が高く、繊細で、正直で、誠実な人です。バランスが取れていると、人の話に耳を傾け、共有し、洞察力に富んで、全体像を把握し、他者と協力して育むことができます。直感力に従って、流れに身を任せたり、企画やアイディアなどを生み出すこともできます。結果だけではなく、創造の過程を楽しむことができます。また、相手が何を求めているのかを察知できるエンパス能力が高い人も多いでしょう。

女性性エネルギーのバランスが崩れると…。

女性的なエネルギーが強すぎると、優柔不断になり、行動力がなくなります。また未熟な女性エネルギーは、周りのエネルギーを受けすぎます。その結果、無意識に自分自身よりも相手を優先し、気を配りすぎて人疲れし、課題を達成することができません。

また、自分で決断できないことから、相手に都合よく使われてしまうことも多くなります。人に依存しすぎたり、または依存されすぎたり、逆に人疲れして引きこもってしまったりと、バランスのよい人間関係が育めません。人を喜ばせることだけに必死になる、発言しない、優柔不断、従順すぎる、集中力がない、などのネガティブな特徴も現れます。



バランスを取るために:神聖な男性性エネルギーを育む。

ジャーナリングや、エネルギーを魂に戻す睡眠や入浴、泣いたり笑ったりできるドラマなどで、定期的に自分の感情を受けとめて、吐き出す時間を持ちましょう。自分で自分を受け止める懐を持つということです。

参考:ドス黒い感情やダメな視点にも価値がある! 不安、怒りを「書いて」陽転させる方法(ジャーナリング)。

参考:創造性を開花させる! 心の暗さや魂の不健全さを自己実現に変える”昇華”とは?

その時間を自分に許すことは、男性性エネルギーの「与える」「決断・実行する」であり、エネルギーのバランスが調整されていきます。また、自分の気持ちを把握することで、人との健康な境界線を知ることができるようになっていきます。健全な形で一線を引くという精神的な強さは、男性性のエネルギーです。

また、自分の小さな願望を叶えてあげることも大切です。これは先日図書館の帰りにコンビニで気づいたことです。原稿を書くために必要で予約していた絶版本を図書館に取りにいったんです。吐き気があり体調が悪かったのですが、このタイミングで行かなければ余裕を持って仕事ができないと出かけました。

本を借りたあとは、ついでにスーパーであれもこれも買い出ししないと…と、さらに自分の体に鞭うとうとしました。それにハッと気づき、こう自分に話しかけたんです。

「いや、今日は頑張って本を借りにいけたのだから、そのお祝いをしよう。スーパーはまた元気なときに行こう。今日は目の前のコンビニでなんでも好きなデザートを買ってもいいよ」と。

すると、すごく幸せな気持ちになりました。このように、女性性エネルギーに望ませてあげて、それを実行することが自分の中の男性性エネルギーであり、最高の男性パートナーを自分の中に育むということです。そして、それを自分の女性性エネルギーが「ありがとう」と受け取る。男性性と女性性エネルギーの統合です。

また、できる範囲で誰かを助けたり、小さな目標をつくって達成したり、可能な範囲でのリスクをとることも、自分に「与える」力や「実行する」力があると実感でき、弱まった男性性を育むことができます。

男性性エネルギーの強みは、果敢な行動力。

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男性性エネルギーは、太陽のような存在です。男性性エネルギーが強い人は、決断したり、冒険したり、発言したり、現実の世界で実行することを好みます。バランスが取れている人は、論理的思考ができ、自分のやりたいことを粘り強く追求することができます。また一度に一つのことに集中し、自分と結果を信じることができます。目標を達成するためには、感情に振り回されず、批判的思考も合わせ持ちながら健全な心理的境界線を持つことができます。タフな心の持ち主で、窮地を脱することもできます。必要なリスクを取って、発言も辞さず、プロジェクトの成長を果たすこともできます。

男性性エネルギーのバランスが崩れると…。

男性的なエネルギーがネガティブに現れると、先の森さんのように、支配的、高圧的、動き過ぎる、無謀になります。強すぎると、自己主張が強すぎて周りが見えなくなったり、目的志向になりすぎて、周りを助けない。エゴイスティックなワンマン上司や環境破壊して売り上げを伸ばす企業、消費者の不利益を元にしたサービスなど、不調和が生じます。その最たるものは、戦争にまで発展する可能性があります。



バランスを取るために:神聖な女性性エネルギーを育む。

女性性エネルギー(直感的、思いやり、感受性、受け容れる力)のバランスをとることです。先のジャーナリングで安全な形で感情を表すのもいいですし、泣いたり笑ったりできるドラマや映画を観るのもオススメです。私が最近グッと感情を持っていかれたのは、THIS IS USというアメリカドラマです。

このドラマは、本当ーにすごくて何よりも脚本が素晴らしい。気持ちがダークに傾かず、安全な形だけど心の深部の感情をぎゅっと表せるのも良いです。

プロデューサーのダン・フォーゲルマンの、「かすかな希望があって、どこか楽観的で、泣けるし、胸にも響いてくる。その上、気分がよくなる。僕は視聴者がテレビを見終わったときに、1時間前よりも嫌な気分になるような作品に関わるためにその世界に入ったわけではないんです」という思いが真に現れています。

性エネルギーの観点からこのドラマを観ると、登場人物たちは、神聖な男性性エネルギーのお手本である父ジャックの深い影響を受けています。子どもたちは、彼が突然死するという心理トラウマから、自分の中の神聖な女性性エネルギーを受け容れることができません(パニック障害になるまで完璧主義を貫いて自分を追い詰めたり、悲しみを受け容れられず、浮気や過食に走ったりetc)。それによって男性性エネルギーも未熟となっています。

THIS IS USのJackの誕生日に三つ子の出産が重なる。ひとり死産して悲嘆に暮れるジャックとレベッカ夫婦だが、同日に消防署の前に置き去りにされた棄子の黒人男児を引き取ることから3人の子どもとジャック、レベッカ家族の物語が始まる。過去・現在・未来と行き来しながら温かく切ないストーリーが展開されていく。

そのために家族やパートナーと傷ついたり、傷つけあったりして、感情を現しながら一緒に成長していきます。男性登場人物たち、女性登場人物たちが、傷ついた女性性を現し、それが神聖な女性性エネルギーとなり、神聖な男性性エネルギーと統合されていく物語を見ているうちに、思考を超えて思いやりや感受性、繊細さ、受け容れる力の美しさを知ることができます。

とにかく泣くのですよ。でも幸せな気持ちになるんです。私はこれでかなり性エネルギーの信念体系が書き換わりました。

amazon prime videoでシーズン4まで無料で観られるので、計72話一気見しました…。

泣いたり笑ったりできる映画やドラマを観ることは女性性エネルギーを育むにも男性性エネルギーを育むにもオススメです。安心して感情を吐き出せるスペースを自分に設けることが大切です。また、なにかを買うときに、値段やレコメンデーションではなく、自分の好みで選んでみるのも女性性エネルギーを癒すのにいいでしょう。

そのほか仕事や人間関係では、任せてみましょう。他の人にやり遂げてもらって、たとえ失敗してもそれを受け容れます。人を批判したり失望したりする前に、その人の成長をゆったりした気持ちで見守ります。その人には必ず自分には無い、キラリと光るものがあります。すべて自分でやろうとはせず、他の人に任せられるところは任せて、最も大切なところに余力を残しておきましょう。

また、競争に勝ったり、もっと簡単で効率的に儲ける方法を考えたりするばかりではなく、少しだけ負けてあげる(相手に譲る)ことも聖なる女性性エネルギーを育む行為になります。他者との間に信頼できる長い関係も築けるでしょう。

参考:人間関係がうまくいかない4つのパターン、コントロールドラマを知って望まない関係を克服!

私はケンカのときに先に謝れる人を相手をコテンパンに論破する人よりも尊敬するのですが、きちんと自分で選択して負けられること(相手に譲れること)は、とてもしなやかで強いことだと思います。