home 魂ナビ 辛いのは無意識の選択のせい?自分を超えた大意識との繋がり方

辛いのは無意識の選択のせい?自分を超えた大意識との繋がり方

今洋服を着ている最中だとしましょう。心が「ボタンを留めよう」と思って脳に指示がいったから、今指が動いているのだと思いますよね。でも科学者リベットの実験によれば、心がそう意図した時間よりも0.35秒早く、無意識下の脳では指を動かすための準備、運動準備電位が生じているのだそうです。これは他の実験でも繰り返し同じ結果が出ていること(1)。

私たちは自分が「そうしよう」と決める前から、その行動をとる準備をすでにスタートしているというのです。これはすべてのことは自分で判断して決めて行動しているはずだ、という私たちの確信が覆される科学結果です。

では無意識とはなんだろう?

さらに心理学者のユングは個人的無意識を超えた、集合的無意識というものの存在を提唱しました。人の意識は自分のコントロールを超えたところで繋がっていて、共通する普遍的な部分があるというのです。例えば遠く離れた日本の縄文時代の女性をかたどった土偶と古代シュメール文化の女神イナンナの土偶は驚くほど似ています。どちらも頭にヘルメットのようなものを被り、体の形もそっくり。ご存知の通り日本神話では天照大神を太陽の神様だとしますが、エジプト神話でもラーとして崇めています。

無意識とは大いなる智慧、自分を超える大意識。

私は、私たちを突き動かす無意識とは、個人を超えた神意識ともいえる、宇宙を存在させたり、私たちを生かすエネルギー、命の源ではと思っています。そしてそこには独自の秩序のようなものがあり、その中で誕生したり死んだりとすべての生物が存在しているのだと思います。

今暮らしている家に毎月いらっしゃる山伏の先生がおっしゃるには、修行中に大雨の中で川を渡ったり、滝に打たれていると、意識と無意識の境目が無くなるそうです。それは体の感覚に意識が向かうことで、「私」を定める脳の指令から一歩離れることが出来た状態ともいえるのでしょう。

こういった自分を超えた神意識、大いなる智慧のようなものと、普段の生活の中でつながる方法を提唱した人がいます。

エサレンで学んだ、日本未上陸のハイヤーセルフとの繋がり方。

スザンヌ・スカーロック・デュラーナは、クラニオセイクラル・セラピー(頭蓋仙骨療法)、瞑想、ヨガ、アメリカ先住民の智慧などを組み合わせ、体の感覚と意識の潜在力を使って、思考や行動パターンを癒し、ベストな決断を下すための方法、『ヒーリング・フロム・ザ・コア(芯からの癒し)』を開発しました。

その核となるのが身体感覚をフル稼働させて“今ここ”に完全に存在する『フルボディ・プレゼンス』という手法。不健全な関係や幸せを阻む選択から身を守り、個人個人の流れに乗って可能性を広げるためセルフ・ヒーリング法です。

私は昨年カリフォルニア州にあるエサレン研究所という場所で、住み込み学生として草むしりやベッド・メイキングに精をだしながら暮らしていたのですが、そこで彼女からこの『フルボディ・プレゼンス』を指導されました。

内なる知恵にアクセスする、『フルボディ・プレゼンス』5つの原理。

日本未上陸のフルボディ・プレゼンスは、以下の5つの原理で行います(2)。

 

1.命を育む、生命力があると信頼する。

太陽の光が降り注ぎ、呼吸するための空気が……というように、この世界は光や熱など命を育むエネルギーに満ちあふれています。

全世界が敵のように見え、もうどうにもならない状況だと感じられても、私たちが自覚するしないに関わらず、この無限の生命力はいつも存在しています。その存在を信頼すると決め、負のサイクルを断ち切る一歩を踏み出しましょう。

 

2.生命力の流れを身体で感じる。

深呼吸したり、自然の中で過ごしたり、祈りや瞑想、思い切り歌を歌ったり、無心で楽器を演奏していると、感じるものはありませんか? 

力強い安心感、エネルギッシュで流れに乗っている、穏やか、至福感を抱いたときの身体の反応とはどのようなものでしょう。

心地よいゾクゾク感、温かさ、胸が開くような感じ、下腹部が据わる感覚でしょうか。

これが1の生命力であり、それと繋がっているときに体が抱く感覚です。

意識してそこに向かうための体内センサーを始動させましょう。

 

3. 生命力の流れで全身をつなぐ。

両足をなるべく平行に、足の裏をしっかりと地面につけます。目は閉じるか、半眼にして深呼吸してください。椅子に座っても、立っていても寝そべっていてもかまいません。

何度かゆったりとした呼吸を繰り返したら、生命力を大地から吸い上げるようにイメージして、足の裏の感覚に注意を向けます。

足裏が微かにチリチリしたり、くすぐったく感じるかもしれません。

足裏からエネルギーを吸い上げて、脚、骨盤、腹、胸、喉、眉間、頭上と流れていく生命パワーを感じて、それを統合させます。

心地よく感じるのは体のどの部分ですか? 

逆に何も感じられなかったり、流れがブロックされているような感覚がする場所はどこですか。それは冷たさ、石のような重み、圧迫感、痛みや麻痺したような感覚でしょうか? 

例えば生まれるときに、成長、事故、手術など、または挫折したり、自信を喪失するなど、過去に心や体にトラウマが残るような影響の強い体験をすると、防衛反応の一種として身体感覚が鈍ります。

すると生命力とつながることも、信頼したり愛を受け取ったり与えたりすることも困難になり、健康を維持する力を低下したり、恐れ、不安、絶望、圧倒感、挫折感、悲しみ、無価値観、自己否定などを抱くようになります。

痛みや重み、気だるさなど不快な感覚がしても、ありのままの状態をただ観察してください。隠したり、克服しようとせず、素直に感じ切ると、もがきは姿を現わすことで、やがて昇華されていきます。

 

4.視点を拡大し、目の前に広がる世界を捉え直す。

私たちが現実を理解するとき、「熱い・冷たい」といった体の感覚、「嬉しい・悲しい」という感情、他には「こうしたい」という期待や「そうあるべき」という信念(belief)などのさまざまなフィルターを通して認識します。

このような判断材料のなかには、傷ついた過去の記憶の再生という、幸せな選択を阻むものもあります。無意識に不幸なパターンを繰り返してしまうのです。そこで一度フラットな意識で目の前の現実を捉え直すクセをつけましょう。

例えば「もしも”私は十分ではない“”私は醜い”という思いが真実ではなかったら? ”私は今のままで十分”“この世界は安全”だと捉えたら、どんな感じだろう?」と視点を一新させます。そして全く新しい視点で現実を見た場合には、体がどう反応するか感じてみてください。

現実のパターンは無数にあります。その可能性にオープンになりましょう

 

5.いつも自分の生命力を育むような選択をする。

生命力の源とは、私たちの信頼感や自信、強さを引き出してくれるものです。それは人それぞれ違うので、自分で経験して見つけていくもの。探すヒントは、ホッとできたり、元気を回復させてくれる、といった心と体の感覚です。

例えばそれは自然の中で過ごすこと、人生のパートナーや友人との語らい、心の深いところからやってくる信念、カプチーノとスコーン、ゆったりとバスタブに浸かる時間、お気に入りのリネンワンピース、波の音、洗い立てのブランケット、深呼吸などかもしれません。

パワーの源探しを楽しんだら、目の前の選択肢の中で、できる限りそれを選ぶことを自分に許してください。するとあなたが自分らしく幸せでいるために必要な生命パワーとつながる魂ナビをいつも始動させた状態を維持できます。

「エネルギーを与えてくれるものを選ぶ」をルールにすることで、心や体、魂を感じながら自分らしい人生の羅針盤に沿って生きられるようになりますよ。

参考

1.前野隆司『脳はなぜ「心」を作ったのか 「私」の謎を解く受動意識化説』(ちくま文庫)

2. Suzanne Scurlock-Durana『Full Body Presence』(Nataraj Publishing)