インナーチャイルドとは、あなたの子ども心のこと。インナーチャイルドが傷ついていると心や体の不調を感じたり、苦しい出来事や現実に遭遇したりという課題が生じます。そこでインナーチャイルドを癒して、心と体を統合するための具体的な方法についてお話しします。
インナーチャイルドを癒して、心と体を統合する具体的な方法。
インナーチャイルドとは?
インナーチャイルドとは、内なる子ども、つまり私たちの子ども心のこと。
欲求な感情に素直で、好きなこと嫌いなことにストレートに反応する、心のホンネのことです。
そんなインナーチャイルドと大人の自分は成長するに従い、分離していきます。
社会生活では私たちはさまざまな役割を果たし、空気をよんで素直な欲求を封じることが求められるからです。
例えば
「ホンネは休みたいけど、迷惑かけたくないから残業しよう」とか
「ホンネはこう言いたいけど、この場では笑って黙っておこう」といったように。
それも大切なことです。悪いことではありません。
けれどもインナーチャイルドはホンネのあなたでもあります。
そこであなたのホンネの一部を無視しつづけることになり、やがて心や体に不調があらわれます。
その結果、心と体が分離したような気持ちになったり、やりたいことがわからなくなったり、なんとなく苦しかったり。
生きがいや自分の人生を生きる実感を失ったり。
病気や原因不明の不調に悩まされることもあるでしょう。
私の場合は、ラムゼイハントという重度の顔面マヒになったことがあります。
(昨日歌手のジャスティン・ビーバーが発症を発表した病気です)。
参考:風の時代へ。冬至の心の毒だし、バシャールの現実創造で何が起こる? 突然顔面マヒに、ラムゼイハント症で緊急入院した話。
また外側でも、大事にされないように感じる出来事や状況が起きるかもしれません。
しかしこれらの崩壊は、決して私たちをただ傷つけるために起こっているのではありません。
そもそもにおいて、すべてのものごとは、私たちをただ不幸にするために起きているのではない。
そう思うことで、心の安らぎと冷静さを取り戻すことができます。
強く不快な感情が生じるような出来事や状況は、
「ホンネを大事にしましょう」
「インナーチャイルドの言い分を聴いてあげるタイミングですよ」
というサインです。私たちがもっとラクになれるように起きているんです。
苦しいのは、ホンネの欲求を頭で抑えているからです。
そこで何か不快な現象が起きたときには、起きている現実は現実として、必要以上に怖がりすぎずインナーチャイルドが助けを求めているのだと、理解すればいいんですね。
「もう自分はダメだ」と自己嫌悪におちいったり、「お先真っ暗だ」と人生を悲観する必要はありません。
ただ、今まで以上に、自分を大事にしましょうということなんです。
「こんなことが起きている自分はダメだ」
「そんな自分を包む現実はロクでもない」
と責めるのではなく、まずは自分をもっと甘やかしてあげましょう。
甘やかすというと、ほしいままに振る舞って、人生に溺れてしまうような悪いイメージが付きまといますよね。
だから、ダメなことのように感じます。
でも、甘やかすというのは、そういうことでもないんです。
甘やかすというのは、なにか行動をしたり、欲しいものを外側から得たりということばかりではないんですね。
自分を愛する(甘やかす)ことのスタートは、内側から始まります。
お金も贅沢なものも、実はなにも必要ありません。
具体的には、なにか強い感情(とくに嫌な気分)を感じたときに、まずそれに気づいてあげること。
無いものだと無視したり、追いやったり、「我慢するべき」と自分の心を抑圧しないことです。
これは、自分を甘やかすうえで最も大切なステップです。
羨ましかったり、悲しかったり、怒っていたり。
そういった一般的に感じてはいけなさそうな気持ちに寄り添って共感する。
そして、感じ切るんです。
とはいえ、これは言うやすしで、実践することは大変難しいものです。
だからセッションでそれをお願いした後、素直に行動に移せる方は、実はとても勇気がある人なんですね。
本来「べき」「ねば」という思考が邪魔して、素直な心を感じるのが難しいもの。
そんなときは、その時点の自分の体がなにを感じているのかに集中します。
感情という実態のないものではなく、今ここで確かに感じられる体の感覚を感じ切るんですね。
最初は体感覚を感じるのも難しいと思います。
頭でっかちになっていると、「(体験や理解とは)こうであるべき」という強いブロックがあるために。コントロールしたくなるんですね。
自分に強い(思考)ブロックがあるかを確かめる、わかりやすい方法がひとつあります。
すぐに答え(自分が望むような答えや体験)を出そうとしたり、結果や解答が欲しいと感じる(焦る)ときは、思考のブロックが強くなっているサインです。
私が禅センターで暮らし始めた最初の2ヶ月ぐらいはこの状態でした。
いくら仏典を読んでも作務を率先してやってもお経をよんでも疲労と怒りに苦しむ日々でした。
筋金入りの頭でっかちだったので(今でも油断すると思考偏重気味になります)。
でも4か月ぐらい経ったある日、山奥の白樺林でただひとり雪が降る音を聴いたときに何年も手放せなかった怒りがスーッと消えていったんですね。
あれは感覚だけの世界でした。
その後、車にひかれてしまったときにも深い気づきがありました。
そして一番インナーチャイルドの声を強く聴けたのは、やはり顔面マヒになってからのプロセスです。
そこで我が身を振り返って思うのは、「もうなにもかもダメ。どうにでもなれぇ。お任せします!」と捨て身なときは、委ねの境地になるのか、ヒーリングが進みやすいです。
だから、本当に起きることはなに一つとして、私たちをただ傷つけようとしているわけじゃないんですね。
(参考)私の紆余曲折:ありのままの自分で本当に幸せになれるの? マガジンハウスからホームレス編集者へ。アメリカ先住民ナバホ族の集落で死にかけて学べた私の幸福学。
少し話がそれてしまったので、体の感覚に話を戻しますと…胸がギュッとしているのかもしれません。肩から首にかけてこわばっているのかもしれません。
私の場合はショックを感じたとき、肘から下が麻痺したようになります。それはすごい。YESだ!と思うときは、鳥肌が立ちます。
これはどういう感じ方が正しいということではなくて、その人、そのときどきで体を通じ生じるメッセージは異なります。
それを深い呼吸とともに感じ切ってあげます。感覚が落ち着くまで感じきります。
頭でそれがどういうものだと知ろうとする心や、もっと早く落ち着かないとダメじゃないかとコントロールしようとする心が芽生えたら、それに気づいて呼吸とともに手放していきます。
知識や知恵をプラスしていくというよりも、引き算(消化)なんですね。
これだけでも随分心(インナーチャイルドの暴走)は収まります。
そして繰り返し何度か安全な形で感じ切るを続けていくことで、過去に同じような感覚になった出来事が思い出されることがあります。
忘れていたような、幼い頃のことです。
そこで自分がやって欲しかったこと。怒っていたこと。恐れていたこと。悲しくて寂しかったこと。それに気づいて、認めます。
そのように客観的に自分を観察していきます。
すると、インナーチャイルドの声(ホンネ)がより聞こえやすくなってきます。
そこでインナーチャイルドの欲求とは、センス悪いなーとか、チャラついているなーとか、ぐうたらだなーとか、身勝手だなーとか。
タテマエの自分が認めたくないようなことを「やりたい」「そうありたい」と求めていたりします。
それをただ「ダメだ」と流したり打ち消すのではなく、そんな一面がある自分を認めます。抱きしめるんですね。
「まぁ、そういうこともあるよね」と、肩の力を抜く。
そして今このときから、その幼いときからの自分が願っていたこと(自分の一面)を許して生きる。
頭で思うような完璧ではない自分を全体として、その不完全性を許して完全だと認める。
そう決意して生きることで、インナーチャイルドが癒されていきます。
分離された自分も統合されていきます。
成長(というよりも「自分ではない誰か」)を求めないことで、エネルギーが再びめぐり出し、全一的になっていくのです。
(参考)
こちらは、ホメオパシー名誉博士である由井寅子さんが書かれた本。より深くインナーチャイルドの理論と、具体的な癒しの方法(8ステップあります)を知りたい方におすすめです。