一緒にいると、本当に癒される人の特徴。良いヒーラー、カウンセラーの役割、選び方とは?

『暮しの手帖』創刊編集長の花森安治さん。おかっぱパーマ頭で独自のスタイルを貫くコミュニケーションの名手・花森さんが伝わる文章の書き方10箇条として実行されていたのが、実用文十訓です。そこに見られる他人軸と自分軸をあわせ持つその姿勢は、心理学者マズローがいう自己実現する人の特徴を捉えています。健康で癒された人は他人を癒す力がある。これは良いヒーラーやカウンセラーにも通じます。そこで一緒にいると、本当に癒される人の特徴、良いヒーラーやカウンセラーの役割、選び方についてお話しします。

性別を超えて『暮しの手帖』花森安治さんに癒された代議士。

『暮しの手帖』を創刊した名編集長の花森安治さん(1911-1978年)。当時の男性としては珍しかったおかっぱパーマ頭がトレードマークです。

花森さんの『毎日新聞』連載対談コラムが『たぬき問答』です。花森さんと対談した大石ヨシエ代議士は、さいごまで彼を女性だと思いこんで話し続け、意気投合。「おたがい、女性のためにがんばりましょう」と握手までして帰ったという逸話もあります。性別の違いを感じさせないコミュニケーション力に癒され、鼓舞されたのでしょう。

花森さんの実用文十訓、”胸をうつ文章の書き方”10箇条。

独自のスタイルを貫き通しながらも、相手の心をつかみ続けた花森さんの編集方針があります。それが以下の実用文十訓です。

1. やさしい言葉で書く
2. 外来語を避ける
3. 目にみえるように表現する
4. 短く書く
5. 余韻を残す
6. 大事なことは繰り返す
7. 頭でなく、心に訴える
8. 説得しようとしない(理詰めで話をすすめない)
9. 自己満足をしない
10. 一人のために書く

これをすべて行うことは、書いていて、なかなか難しいことです。できたらとっても素敵な文章になるに違いありません。人の心に癒しをもたらす、胸をうつ文章になるでしょう。

人と違ったことをするだけに、人一倍独りよがりにならないように気をつけていた花森さん。読んでくれた人へラブレターを届けるように、難しいことをやさしく、相手に伝わるように自分の言葉で語る努力をされていたのでしょう。

そんな人とは一緒にいても会話していても居心地よく過ごせます。上手に話さなくちゃとか、自分のことをよく見せなきゃと思わなくてもよく、ワクワクしながら寛げるからです。そんな人のそばにいると、人は元気を貰います。

★この文章は、合わせて私の話す音声としてMakiwari Radioで聴くことも出来ます。

自分軸と他人軸のバランスがよい人は、自在にエゴを操縦できて心地いい。

自分の軸を持ちながら、相手の心地よさに配慮できる。それはエゴ(分離に基づく自己意識)の力を大きくしたり小さくしたり、目の前の課題に合わせて自在に変化させることができるということでもあります。

自分が正しいという思いほどエゴを強化するものはありません。とはいえエゴがなければ自分のニーズを満たすことも、他人の虐待や不正に身を任せることにもなりかねません。ときには信念に従ってエゴを強め、ときには相手の偉大さを称えてエゴを緩める。エゴの強弱を課題に合わせて自在に調整するために必要なのは、「今に在る」ことです。それは今目の前に何が起きているのかを明確に把握し、自分の正当性を証明するためにいっぱいになるよりも、問題中心の姿勢です。

心理学者マズローの自己実現する人の特徴は、相反する性質をあわせ持つ。

これは、心理学者マズローがいう自己実現する人の特徴に通じます(以下)。そんな人は、孤独を好みながら他者との深い結びつきを持つなどと、興味深いことに、一見相反する性質をあわせ持っています。エゴの強弱を自在に操り、自分と自分以外という二元性を超えた価値観に生きているからです。

自然な心の動きに従って生きているけれど、我を通すことからも遠い存在。「自分」をしっかり持っているけど、単なる付和雷同ではありません。

1. 現実をあるがままに認識することができる
2. 自己や他者、そして自然をあるがままに受容することができる
3. 自発性、自然なこころの動きに従って生きている
4. 自分にはあまり関心がなく、「問題中心」である
5. 孤独とプライバシーを好む
6. 自分が属している文化や集団から独立し、自立している
7. 日々、イキイキと生きている
8. 神秘体験や至高体験をしばしば体験している
9. 他者との深い結びつきを持っている
10. 深い本質的な人とのつながりを持っている
11. 民主的な人格構造を持っている
12. 手段のために目的を犠牲にしてしまうことがない
13. 創造性がある
14. 自分が属している特定の文化を超越している

ー『人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ』より

自己実現者は、目の前の人の一番美しい自分のかけらを映す鏡となります。他人は私たちの内なるドラマを映し出す鏡のようなもので(魂の愛』より)、エゴを自在に操れる人は、一緒にいる人をもっとも高い状態に引き上げてくれます。それは思い込みのフィルターを解いた本来の自分でもあります。生まれたばかりの赤ちゃんのような状態です。

参考:嫌いな自分を赦せば、愛が叶う。投影を外し、人間関係のモヤモヤを一掃する心理学。

そこで、癒しとは、自分が本来の自分であることを許してあげるときに起こります。自己実現している人を見て、周りの人たちは「自分もあんなふうになれるんだ」と思って、彼らに本来の自分の美しいかけらを見ることで自身を癒すことが出来るのです。そこで自分が持っていないものを持っている人を妬んだり、敵視することはもったいないことです。その人が持っているものは、もうあなたも持っているのです。




良いヒーラーやカウンセラーとは?

癒しのプロといえば、ヒーラーやカウンセラーです。エゴを強くしたり弱くしたりを自在にできること。それは良いヒーラーやカウンセラーにも通じています。

ときに自分が癒されていないものをクライアントに重ね合わせ、代理として自身を癒そうとするヒーラーがいます。彼らに当然悪意はなく、無意識ではありますが、それはクライアントを助けることで自分の傷を癒そうとしているのです。これでは良いセッションにはなりません。

参考:人間関係がうまくいかない4つのパターン、コントロールドラマを知って望まない関係を克服!

誰かが自分を完全にしてくれるということは、自分が不完全だということになります。逆に自分が誰かを完全にするというのも、相手が不完全だという考えによるものです。これらは真実ではありません。

相手の癒しを起こすために一番大切なのは、まずヒーラー自身が癒された状態になること。クライアントがヒーラーのバランスの取れた波動を拾える状態を作ることです。そのために一番大切なのは、自分自身がまずバランスのとれた健康的な存在になるということです。

そこで、ヒーラーやカウンセラーの助けが必要なときは、彼らがエゴの強弱を自在に扱え、自己開示しながらも癒された状態であること。何より自分が信頼できて、安心して心をオープンにできる人を選ぶといいです。その鍵は、一緒にいるときの自分の感覚。体のリラックス感と軽やかな感じです。

参考:自己開示と自虐の違いって?「ダメな自分」を見せてもステキな人にはワケがある。

出会いがあれば、学びを終えて自分や相手の波長が変わることでヒーラーとの関係性を卒業することもあります。残念に思ったり、執着する必要はありません。必要なとき、準備ができたときに、必要なタイミングで必要な相手が現れます。出会いと別れのタイミングは、オープンになって自分の感覚に意識を向けるとわかります。相手を変えようとせず、自分を信じて人間関係をデザインすればいいのです。




ヒーラーはクライアントを直接癒さない。エネルギーの場を作る。

私がアメリカで暮らしていたとき、エネルギーヒーリングをしてくれたペルー人クアンデロ(男性祈祷師)のエミリオがいます。

ヒーラー自身がクライアントを直接癒すわけではないと教えてくれたのは彼でした。

まずヒーラーが大いなる魂とつながってある特定のエネルギー場を作ることで、クライアントの中の観念の波動を変容させる。その中でクライアント自身が自分を癒す助けをするのがヒーラーだというのです。

観念とは何か?なぜ癒しのために観念を超える必要があるのか。

観念とは、物事に対する考え方のこと。その人が信じている物の見方です。

観念には、概念(物が持つおおざっぱな意味)にその人自身の心の働きが加わるので、100人いれば100通りの観念があります。本来中立である出来事にその人の意味づけである観念が加わり、その人の現実を作っています。

例えば、同じ雨という出来事でも、日照り続きの農家にとってありがたいことですが、おろしたばかりの革靴で出かけた人にとっては困ったことになるでしょう。それは、現実を形作るうえで、その人の観念のフィルターがかかるからです。

それはあることの一部を一部として理解する知性とも言えます。けれども、それはあることの全体をとらえた理解ではありません。全体の理解を得るために、ヒーリングでは観念から自由なエネルギーの場を作ります。

言い換えれば、ハイヤーセルフの愛の眼差しで、相手のハイヤーセルフを見るということ。

参考:感情の22段階と現実の7次元について。忘却のゲームから抜けて、統合に向かうためには

参考:ハイヤーセルフと繋がる方法とは? 問題を解決する、自分を超えた答えのダウンロード法

一体化されたエネルギー場で深い癒しが起こる。

観念のフィルターがかかる以前の全体の状態とは、右脳と左脳、科学と精神性、男性性と女性性、陰と陽、光と闇を結ぶ統合された世界です。それを大いなる源、タオ、ソースエネルギーと呼ぶ人もいます。

そこでは創造の力が最大になります。分裂したエネルギーが一体化されたエネルギー場だからです。

統合されたエネルギーの中でとても深い癒しが起こった場合に、なぜかという理由や解釈を知る欲求を手放すことが必要な過程があります。善悪や正誤のメカニズムは思考体系(観念)ベースの二元性における限定された理解だからです。

多くの成功者や霊的世界の指導者たちが大病を患ったり、ホームレス寸前の一文なしや四面楚歌になった後に奇跡の成功を遂げるケースが多いのはこのためです。彼らは自分の力や今までのパターンではどうにもできない極限状態に陥り、ずっとしがみついていたこだわりを捨てます。その結果、一体化されたエネルギー場に身を委ねることになります。「もうどうにもならない」とコントロールの手綱を緩めたことで、図らずとも肩の緊張が抜け、逆に波動が高い状態になったのです。ここで創造性のエネルギーが働きます。

 

参考:ハイヤーセルフと繋がる方法とは? 問題を解決する、自分を超えた答えのダウンロード法

思考を超越し、癒しのプロセスを「お任せする」「信頼する」「委ねる」。

そこでセッション中は、クライアントもヒーラーも、「お任せする」「信頼する」「委ねる」という姿勢になります。しかし、それは無責任な姿勢とは異なります。むしろ完全に今この瞬間を感じる、そこに在ることに気づいている状態です。

感覚に集中し、コントロールしたい、すべてを把握したいという欲求を手放す。すると、今この瞬間に意識を置くことができます。そうすることですぐに結論を出そう、常に解釈しようとしたがる思考を超越することが出来ます。思考の理解は現実の一部を捉えたものに過ぎません。委ねの先の理解は、思考を超えた全体に近づきます。

すると、逆説的なことに以前は見えていなかった細部が見えるようになります。客観的な視点から自分の人生を俯瞰し、何を望んでいるのか、何をどう変えたいのか、を明確に把握する気づきも得られます。

このような命の源流ともいえるエネルギー場でクライアント自身が大いなる源とつながり、自分で自分を癒す助けをするのがヒーラーです。つまり癒すこと自体はクライアント自身の仕事なので、クライアントが許可しない癒しは起こりません。顕在意識では「変わりたい」と思っていても、無意識レベルでは「変わりたくない」とクライアントが願っていたら、変容は起きません。その逆も然りです。

言い換えれば、真のヒーラーは本来、サポートに徹しながらもクライアントと一緒に苦しむことも、クライアントに変わって苦しむこともありません。

カウンセリングでは、河合隼雄さんがいうように、ボーッとした状態だけど、十分にそこに居て、安全なエネルギー場を設定する。そしてラポール(心理的共感状態とも。単なる共感を超えて、互いが共鳴する状態)を起こします。自分自身の抱える問題は、脇にやって、単なる共感を超えた直感的で柔軟な境界線を設定します。

ヒーラーが苦しみを感じるというのは、そこに良い悪いという価値判断が入っている現れです。つまり、ヒーラー自身が完全に観念を超えたエネルギー場と一体化していないことになります。言い換えれば、何らかのヒーラーの観念がエネルギー場との一体化をブロックしているといえます。そこでは本来の癒しは起こりません。

既に持っているものに成る。お互いの神を信じる。集中する。クリアな鏡となって、エネルギーの場の高みへとクライアントをつなげること。ハイヤーセルフの眼差しで、クライアントのハイヤーセルフを見るのです。そのためには自身のことを深く知る必要があります。

つまり、自身の課題に気づいていること。「自分は問題ない、この人よりも高次の存在だ」などと間違っても驕らないこと。でもセッション中は、エゴを超えたハイヤーマインドと繋がること。相手のハイヤーセルフと自分のハイヤーセルフをつないでラポールを起こすのです。

当然、クライアントとの関わり合いで、ヒーラーやカウンセラーたちがクライアントたちの気分に影響を受け、その期待に圧迫されることがあります。そこでヒーラーたちは日常生活では、なるべくエネルギー場で過ごして自分を満たす時間を長く持つ必要があります。

この自分を満たす時間を取らず、犠牲的なヒーラーやカウンセラーは、クライアントの傷や痛みに依存している可能性があります。気分が高まるまで意識的にエネルギーが溢れ出る状態を保ち、クライアント以上にクライアント本来の力と最善のプロセスを信頼することがヒーラーの役割です。