風の時代に支持される、「身の丈リッチ」経済とは?

身の丈リッチとは、頑張り過ぎないで得られる豊かな気持ちのこと。私が勝手に作った言葉です。お金、物質、権威が重視された土の時代から移り変わり、コミュニケーション、個人、多様性が求められる現在の軽やかな風の時代を象徴する、今肌で感じる経済の動きです。

日本の卵と米が香港で売れている!

3年ほど前の一時帰国中、大阪御堂筋のドラッグストアや行列ラーメン店の前を歩いていると、中国語や韓国語で呼び込みされ続けました。日本に帰ってきたけど、アメリカにいるのと変わらず外国語の世界だなぁと驚いたんです。大学生のときにバイトしていた心斎橋のブティックをのぞいでみると、閉店していました。代わりにドラッグストアにラーメン店や100円均一の店が並びます。

そんな賑やかさも新型コロナの影響で、中国や韓国からのインバウンド(来日外国人)需要がグッと落ち冷え込んでいます。一方で、香港向けを中心に日本の鶏卵と米の輸出高が伸びたのだとか。不景気とはいってもお金の流れが変わっただけで、すべてが沈んでいるわけではないのです。

日本で食べた卵かけご飯やおにぎりが口恋しくなったためではと、今朝の日経新聞に書いてありました。海外では生で食べられる卵は珍しく、おにぎりに適した粘りがある日本の米が珍重されているのだとか。

卵かけご飯という食べ方提案が、韓国人気ガールズグループTWICEのツウィ(台湾出身)もYouTubeで卵かけご飯に挑戦し、彼女のお口には合わなかったようですがモッパン(※)動画のネタになるほどアジア圏に浸透したのでしょう。割高な日本産の卵や米を輸入して食すとは、プチ豪華な楽しみ方ですよね。

(※)グルメレポを配信する動画コンテンツのこと。韓国語の「食べる(モグヌン)」と「放送(バンソン)」を合わせて「モッパン」と呼んだのが由来。

少し話が逸れますが、卵かけご飯で思い出すのは、ハワイに住む友だち夫婦を訪ねたときのことです。生卵を熱々ご飯にかけようとしたら「危ない」と止められたんです。アメリカでは生で卵を食べる習慣がなく(ロッキーの卵5個一気飲み栄養ドリンクは?とも思いますが)、加熱用として売られるので賞味期限もそれ前提で、サルモネラ菌に感染した卵の可能性もあるからだそうです。日本の鶏卵って、衛生管理レベルとして世界的に超リッチなんですね。それがスタンダードになっているけど、高い価値があるのです。

そんな日本にいると当たり前のことだけどトップレベルといえば、お手洗い事情もそうです。清潔なのはスタンダードで、駅のトイレですら便座が温かかったりしますが、それってサンフランシスコなら高級ホテル級ですよ。3年前に金沢の宿で会ったイギリス人の旅人に、どんなに日本のトイレが清潔で高機能であるかを熱弁されたこともあります。「あなたは日本人として、それを誇るべきだ」と。身の丈リッチ的には、TOYOTAよりTOTOなのか(笑)…。

確かに本国アメリカのスターバックスのトイレに入ったときは、暴動の後かとその惨状に仰天したな。だからアメリカのコーヒーショップではいつでも毎回限界まで尿意を我慢し続けていました。エイブラハムの教え的には、コーヒー飲んで「うま♡」と波動を上げたのち、その後ずっとトイレ不安を抱え続けるという私の内側は22の恐れなどの低波動感情が満載で、願望実現がなされない低いエネルギー状態だったのでしょう…。せっかくなけなしのお金でコーヒーショップに入っていたのに、引き寄せの法則的には低パフォーマンスです。あれで納得していた、当時の私に教えてあげたい!

参考記事:無意識の不幸スイッチは簡単に切り替わる。五感を使って願う現実を創造する方法

Uniqlo U、ミスドのマルコリーニコレクション、お買い得コラボが人気。

と、だいぶトイレの話で逸れてしまいましたが、コロナ渦で見えてきたものは、中間のポジションが難しい時代だということです。高いものか安いものかが支持される。とはいえ高級品がそのまま好まれるというよりも、身の丈リッチな提案がされてこそ大衆が動く。

エルメスの何百万もするバーキンを求めるよりも、エルメスのアーティスティックディレクター(※)だったクリストフ・ルメールがUNIQLOとコラボしてディレクターを勤めるUniqlo Uが大衆の心を動かします。UNIQLOにしては1000円高いけど、憧れ心をくすぐるクリストフ・ルメールでそのお値段ならお買い得といった、私サイズのリッチ感です。

(※)クリエイティブディレクターと呼ばれることも。洋服のデザインだけでなく、マーケティングや広告、ライセンス事業の有無などを含むイメージ戦略全体を監修する。94年にグッチのクリエイティブディレクターに就いたトム・フォードが有名。

Uniqlo Uは発売されるやいなやファッション系YouTuberたちがこぞって「本気買いレポート」を取り上げますよね。そしてXSやSサイズからオンライン販売が売り切れていく。なかにはUNIQLOから商品提供されたり、広告契約を交わすYouTuberもいるでしょうが、どれも平均何万以上も視聴されるので、そもそもネタとしての消費者注目度もあるのでしょう。

大手アパレルのワールドがアクアガールやオゾックなど5ブランドを廃止するなかで、ユニクロは2割増益です(2020年9〜11月期の連結業績の営業利益)。廃業に追い込まれる飲食店も少なくありませんが、ミスタードーナツのピエール マルコリーニ コレクションは大行列です。他の100円台のドーナツに比べて、2倍近くしても、200円台でマルコリーニを食せたら超お得となるのでしょう。というように今はブランドヴァリューや信頼感があるものをこの値段で得られたら損なし!という、身の丈リッチが嬉しい時代のようです。老舗洋食店のご飯がファミリーマートでお弁当で買えると4割増で他の製品に比べて売れたりするのもその一例です。

得意分野で協働し、高いサービスを追求する身の丈リッチ時代。

そのためすべて自社でやり切らず、得意な人が得意な分野を請け負い合ってコラボしながら満足度の高いサービスを追求する戦略がうまくいく時代のようです。例えば先のユニクロの場合、素材は東レ、ホールガーメントニットは島精機、生産在庫管理・物流は三菱商事などの商社に委託し、自社グループですべてまかなう無印良品から大きく差をつけました(※)。

(※)https://www.wwdjapan.com/articles/1138782より

風の時代は、ピラミッド型の上下構造ではなく、横のつながりの時代ともいわれています。得意分野で協働しあった結果のヴァリュー感、身の丈リッチ感が消費者のニーズを捉える現状は、その現れではないでしょうか。それは、円滑なコミュニケーション、個人、多様性なくしては実現しないサービスです。そんななか、東京五輪・パラリンピック組織委員会 会長の森さんの女性蔑視発言はドド外れ…。まさに前時代の土の時代っぽい。

AI時代だからこそ、かゆいところに手が届くヒューマン的意思疎通力が高い価値に。

余談ですが、この間このブログに対して、どこかの媒体の広告部の人から「サロンアイテム様向け 媒体タイアップ企画ご提案」みたいな定形文の一斉メール的メッセージが入っていました。でも、うちサロンじゃないよ…。そういうAIに任せたままの営業って媒体のネガティブイメージにもつながるから気をつけたほうがいいよ…。ちゃんとサービスを提供する人のこと、両思いになるためにも興味を持って知らなくちゃ。久しぶりに小姑のようにそう思いました。というよりもむしろAI的メッセージを介した、宇宙からの私への助言でもあるのかな。だとしたらありがたい、気をつけます。

紋切り型なAIコミュニケーションではなされない、かゆいところに手が届くようなより深い共感力と臨機応変な観察眼をあわせ持つこと、そんな意思疎通力がこれからますます必要とされるのだと感じます。

参考記事:「もうムリ…」に効く、相手も自分も癒される話の聞き方。