世界各国で白熱する火星の生命探し。宇宙人の謎とエネルギーの関係

35億年前の火星は、生命が存在できる環境だった。

むかーしむかし、35億年から40億年前の火星のことです。そこは、生命が存在できるような場所でした。太陽系のおとなりの惑星、地球でも約40億年前に生命が誕生。とはいえ私たち人間が現れるのはそれからずいぶん先のことです。例えば、猿人のアウストラロピテクスでは約400万年から200万年前。火星には、人間が生まれるずっと前に生命が存在した可能性があるのです。

火星に水が! 世界中が火星の生命探しに白熱。

火星の直径は地球の約半分で、重力は1/3です。かつては地球と同じように磁場があったけれど、それが失われたことで太陽風などにさらされ、表面の水が失われたとみられています。

2019年には高濃度のメタンが一時検出され、大気中のメタンが季節によって変化することから、生物による影響では?と議論を呼んでいます(※)。(※)日経新聞3/5付朝刊より(以下同)

そして今なお、火星の南極の地下には水がたまる湖があるとされるとか。先月火星に到着したアメリカの探査機「パーシビランス(Perseverance:忍耐の意))が着陸したのは、ジェゼロ(Jezero)クレーターと呼ばれる直径49キロのクレーター。約40億年前に湖があったとされる場所です。

パーシビランスには、分子レベルで物質の構造を解析できる装置が搭載。カルシウムやリンの化合物が見つかると生命存在の可能性があるそうです。ただしパーシビランスだけでは分析しきれないので、2030年初めに火星の土壌サンプルを地球に持ち帰って米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)の共同で検証するとか。西側諸国の大プロジェクトです。

今年は日本のH2ロケットを打ち上げたアラブ主張国連邦の探査機「アル・アマル(アラビア語で希望の意)」も先月火星に到着。中国の探査機「天問1号」は5月から6月にかけて着陸する予定です(※)。

SpaceXの火星旅行のお値段は、2200万円。しかも片道切符かも…。

しかしなぜそんなに皆、火星の生命探しに躍起になっているのでしょう? ロマンや探究心のみが原動力なのでしょうか。

地球から火星へ探査機を飛ばすと、7か月から一年弱の旅を経て到着します。行くだけで一年かかるんですね。そしてそれを民間向けの旅行として提案したのが、NASAが達成できなかった再生可能なロケット開発を成功させたイーロン・マスク氏です。

マスク氏により2002年に設立されたスペースXの火星旅行のお値段は、なんと2200万円(20万ドル)。初乗員は、ご存知起業家の前澤友作氏です。前澤氏は、宇宙船の全シートを購入。昨年末無人の試験機が地上に軟着陸するのに失敗し、爆発炎上するなどと片道切符になるかもしれない危険な旅でもあります。

サービス提供側のマスク氏は、

死ぬ可能性は十分あります。大変なことになるでしょうが、成功すれば輝かしい体験になるでしょう(Good chance you’ll die, it’s going to be tough going, but it will be pretty glorious if it works out)」

と、”ベストは尽くすが、どうなるかはわからんよ”と言い切っています。



マスク氏は、火星移住においては、法の概念すら関係のない直接民主主義になると考えています。火星で仮想通貨が利用されることを見込んでいることも、ビットコインの大量投資に関係あるのかもしれません。

直接民主主義とは真逆。「トータル・リコール」の火星は、酸素利権をトップが握って独裁。

直接民主主義とは全く違う火星の世界を描いたのが、シュワルツネッガー主演の映画「トータル・リコール 」です。火星における酸素の利権を採掘者トップならびに統治者が握り、火星で暮らす民衆を支配するお話でした。

独裁構造を維持するために、かつてエイリアンが作った酸素を作り出すリアクターを隠蔽し、一部の人たちが大気化して酸素を無償に分配することを防止していたのです。

これはサイバーパンクの巨匠 フィリップ・K・ディックが描いた世界です。

冷戦下の宇宙戦争、エネルギー供給の歪み…ユングの影響も強い、フィリップ・K・ディックが描く世界。

原作「追憶売ります(トータル・リコール。ディック短編傑作集) 」は、1966年発表の作品です。これは冷戦中に、アメリカとソビエトによる宇宙開発競争、宇宙戦争時代の真っ只中のことです。

宇宙技術は「強国」「すごい国」というイメージ戦略にもなり、軍事技術への応用が可能とあって、各国躍起になって開発に力を注ぎました。分断と戦争は、ディック作品のテーマのひとつです。

また、現在私たちが抱えるエネルギー事情の歪みをディック流にフィクション化して風刺してもいるのでしょう。現在の化石燃料ベースのエネルギー政策ではなく、太陽光や風力を支える政策を進めればまた違う富の分配構造になるでしょう。さらにいえば、フリーエネルギーの技術もずいぶん前から開発済みとの噂も。フリーエネルギーが無償分配されば、働くことの定義すらガラッと変わる可能性があります。

つまり私たち個や集団の意識の力が現実を形作っている。冷戦時代のディック時点からの集団意識で創造される未来はこうだと示唆しているのでしょう。事実、ディック作品には心理学者ユングの集合無意識や集団投影、シンクロニシティの影響も強いのです

今は、その端境期にあります。


現在も富裕層はゲージの向こう側で暮らし、郵便番号で犯罪率がわかるともいわれるアメリカ。中国ではついに富裕層と貧民層の比率でアメリカを抜いたという。コリン・ファレル主演のリメイク版でも、二極化が進む地球の表側に富裕層、裏側に労働層が暮らすという社会の縮図も描く。

集合無意識、投影についての参考記事:

パンデミックの時代に心の種に水をやろう。幸せのための集合的無意識の活かし方。

嫌いな自分を赦せば、愛が叶う。投影を外し、人間関係のモヤモヤを一掃する心理学。

意識そのもの、源エネルギーとして存在する場合は?

宇宙生命体が肉体を必要とせず、意識そのものとして存在できるという、並行して存在する別次元(パラレル・リアリティ)にいる可能性もあります。その場合は、例えば「生命には炭素の組成を基礎にする」などの私たちの決めつけの枠を外す必要があります。とすれば火星のみならず、硫酸の雨が降るとされる金星にも、別次元の意識体が存在する可能性があります。

例として逸れるかもしれませんが、細胞も細胞膜も持たないウイルスは、一般的に生物ではないとされます。目にも見えないし、触れて実感することもできません。けれども新型コロナウイルスのように確実にそれは存在するし、遺伝子を有して感染しながら自己増殖し、拡大と成長という意識の流れ(源エネルギー)にまっすぐ従っています。

片道切符である可能性は恐ろしい。けれど、地球を出て無重力の世界を一年弱過ごし火星に降り立つとは、思い込みの枠をぶっ壊し意識を拡張させるには十分すぎる経験でしょう。その体験をした自分とする前の自分はまったく次元の違うパラレルリアリティに存在する別人間でしょう。マスク氏は、もはや地球の集団無意識から外れて、火星移住した自身の「未来記憶」とアクセスしているのだと思います。

とはいえイーロン・マスク氏も巨万の富を得たビッグデータやAIの時代。不平等な状況はどんどん大きくなるばかりです。お門違いかもしれませんが、私個人としては、その未来記憶がトータル・リコール的に歪められた強者のみのロジックによる”直接民主主義”でないことを願います。

参考:戦争か共生か、最先端神経科学が頂点に立つ”ニューロ・キャピタリズム”時代が向かう道