嫌な人や苦しい人間関係からラクになる「引き寄せ」の方法は?

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話がかみ合わなかったり、つらくあたられたりと、苦しい人間関係に追い込まれたことはありませんか? その人たちは、私たちの人生をダメにするために登場したのでしょうか。瞑想の世界では、弟子の準備ができたときに先生が現れるといいます。元祖引き寄せの法則ともいえる映画『ザ・シークレット』の製作者、ロンダ・バーンさんが書かれたザ・パワーを読んで改めて感じた、嫌な人や苦しい関係性を和らげる方法をお話します。

嫌な人や苦しい人間関係からラクになる「引き寄せ」の方法は?

誰かにイライラさせられても、それを攻撃とはとらえない。

怒りの磁場の発信源にならないために。

引き寄せの法則でそう語られて、わかっていてもなかなか実行に移すのは難しいものです。

そこでロンダ・バーンさんのザ・パワーを読んでいて、感じ入った老子の言葉がありました。

泥水もそのままにしておけば澄んでくる

―老子

そうだった。

人生で起きることはすべて、当たり前だと忘れてしまっていた大事なことを思い出させてくれるものだと思います。

そこで、私にマインドフルネスを初めて教えてくださった、ティク・ナット・ハンさんの言葉も思い出しました。

彼はたくさんの人に惜しまれながら、今年亡くなったベトナム出身のお坊さんです。

震災後に参加した彼のマインドフルネス合宿。そこでは、泣きっぱなしでした。

その体験は年月を経て、私の人生をすっかり変えてしまいました。

変えてしまったというか。

元の自分に戻っていったのだと思います。

参考:ちょっとお疲れ気味のあなたへ。一杯のドリンクで幸せになる方法。

ヒーリングというのは、いつどこで、どういう形で現れるのかがわからない。

そんな醍醐味があるんだということも、教えてくださいました。

さて、ティク・ナット・ハンさんがこんなお話をしてくださったんです。

彼が幼い頃の話です。

井戸にきれいな葉っぱがあったのだそうです。

棒でとろうと水をかき回しグルグルするうちに、

どんどん葉っぱは沈んでいってしまいました。

動けば動くほど、葉っぱが取れなくなるのです。

そこであきらめて遊びにいったそうです。

遊び疲れて忘れた頃に井戸に戻ると、葉っぱが水面に浮かんでいたのだとか。

つまり、

水をかき混ぜたこと。

その後、遊びの時間をもって、休止。

かき混ぜ続けなかったこと。

そうすることで、葉が表面に上がってきたということです。

本当に老子やティクナットハンさんの言葉は、わかりやすくて深みがありますね。

まさに人生の先生の言葉という感じです。

先生といえば、瞑想の世界では、弟子の準備ができたときに師が現れるといわれますよね。

私は長いあいだ、そんな先生はスピリチュアルマスターとか、心理学の偉い先生とか、そういう人たちだと思っていたんです。

もちろん、そういうときもあります。

でも、いま思うのは出会う人は、みんな先生なんだなということ。

どんな関わり方であったとしても。

心が洗われるような体験も、暗い気持ちにさせられる出来事も。

そして、なにを学ぶための先生なのかというと…。

これも前は、もっと善い人間、成長した人物になるためのことだと思っていたんです。

いまは、なりたい自分を明らかにするための先生なんだと思います。

なりたい自分とはじゃあなんだということですが。

それは、他の人がどう見るか、どう評価されるか、というよりも、

自分がどう生きたいか。

もっと具体的にいうと、お腹の底から今どんなふうに振る舞えば幸せを実感するか。

「今の自分、好きだな」と思えるか (周りの目とかとは関係なく)。

死ぬときに、「いい人生だったな」「よかったな」と思えるかだと思います。

なぜなら、どんな人でも、それがどんな物語設定の人生だったとしても、

大前提として、その人だけの生を与えられているからです。

誰かを幸せにするためではなく、まず自分が幸せの発信源になるということ。

ちょっと話は逸れるかもしれないけど、昨日美容ジャーナリストの友達と話をしていた

ときのことです。

彼女が

美容っていいよね!自分の好きな見た目でいるって本当大事。

結局、人になんて言われようが自分が気に入っていることがいいしね。

といっていて、素敵だなと思ったんです。

だから誤解を恐れずにいえば、外見でも内面でもなんでも、

あなたのことを人がどうこういったとしても、

あなたには、自分の脚本を描く自由があるんです。

誰かの言葉や行動に嫌な気分になるとしたら、私も含めて究極的には、

どこかでそう相手が振る舞ってくることが正しいと信じる筆をもっているからです。

だから「本当にそれでいいの?」と逐一脚本をチェックする必要がある。

そのためにどうすればいいかというと、たとえば『ザ・パワー』では、

その場所を離れて、数分間気分がよくなるまで好きなものを探しましょうと

アドバイスしています。

好きな曲を聴いたり、頭のなかだけでも大好きなものを空想するのもいいでしょうと。

ここで興味深いのは、方法論として登場人物を変えようとはしないことです。

そのほうが遠回りに見えて、一番早道だから。

相手を変えようと思いますよね。でもやっぱり自分が変わる方が早いし確実なんです。

だから、ときには自分を守るために、その人から離れたり、自分を大事にしたり敬うことを優先する行動も自分に許してあげましょう。

たとえ周りに誰もいなくなるように見えても(そんなことはありません)。

ところが状況や相手から離れたり、別のことができないときもあると思います。

そんなとき、私は意識を呼吸に向けます。

自分の呼吸を感じながら、吐く息で体の緊張を抜いていきます。

優しい膜で自分を包むようなイメージです。

数回おこなって、少しだけ気分が落ち着いたと思ったら、

そのときに一番心がラクになれるような言葉を自分にかけてあげます

(心のなかだけで)。

「あんなこと言われると、しんどいよね」

から始まり、

「あの人、ちょっとどうかしているんじゃない? ムカつく!」

みたいな、「そんなこと思ったら悪いヤツ、アタシ」と思うような気持ちも

受け止めてあげます。

ジャーナリングもオススメ:自然なあなたが一番美しい。ドス黒い感情やダメな視点にも価値がある! 不安、怒りを「書いて」陽転させる方法。

いいんです。完璧じゃなくって。

脳内の暗い気持ちにもYESを出しつづけることは、水をグルグルかき混ぜることに似ています。相手にはそれをぶつけることはありません。

OKを出しつづけると、抵抗がなくなってくるので、水をかき混ぜる

手の勢いも弱まってきます。

そのときに、ふとたとえば「カフェオレを飲んでみよう」など、

気持ちを持ち直すためにやりたいことができたら、それを実行に移します。

そうしつづけるうちに、いつかいまかと期待しないうち(大抵は忘れた頃)

やがて….

確かにティクナットハンさんがおっしゃるように、

喉から手が出るほど欲しかった葉っぱ(ラクな人間関係)がそばにあるから不思議です。

でもそれでコンプリート!ざわつくことが人生から一切起こらなくなるかというと、

残念ながらそうではありません。

また師が現れるんですねー。

おそらく、魂は成長を求めているからだと思います。

英語の表現でいう、Blessing in disguise(不幸の姿を借りた祝福)ですね。

渦中では、なかなかそうは思えないものですが。

では魂が求める成長(祝福)とはなにかというと、それは倫理的に正しい人間になるというよりも、魂の本質に近づくという意味です。

だから、

これは私がもっとラクで自由になるために何をすればいいんだろう?

そう考えて目の前のことを対処しつづけていけば、感情の動きはゼロにはなりませんが(なっていたらこの世界に存在しません)、気持ちを持ちなおしやすくなります。

ある日ふと、「これって前だったらすごくテンパってたことだな」と

気づくことができたとき、手のそばに浮かぶ葉っぱを目にする余裕も生まれ、

ちょっと穏やかな笑顔になっていますよ。