home 東京薪割り生活 [35]しくじり先生!

[35]しくじり先生!

家主のヨーコちゃんは山伏でありながら大学の先生で、「環境経営論」というカッコイイ授業をしています。新型コロナウイルスの影響で、今学期は初のオンライン形式の試み。しかもライブです。そこでは木のおもちゃ作りをされる会社のオーナーさんや街に愛される定食屋店主、草木染めのファッションブランドオーナーなど、ヨーコちゃんの持続可能な商いを行う友だちたちが協力して学生のみなさんの前で発表しており、私はそれを末席でありがたく拝聴していました。

 

ある日ヨーコちゃんから「アヤちゃんも発表して」と言われて、ジョークかと思いました。本気みたいなので、3回生向けの授業ということで「大企業の社長さんたちの話も聞きたい」という学生さんたちのコメントを拝読したことから「じゃあ、ソフトバンクGの孫正義さんとソフトバンクヴィジョンファンドの今後について分析して発表してみるわ!」と答えたら、

「いや、アヤちゃん自身の話をしてほしい」と言われて、えっ????

 

1日ほど返事ができませんでした。

ヨーコちゃん、一体何を言っているんだろう??

 

私の話なんか、学生さんとヨーコちゃんに貢献できるのか甚だ疑問です。

就職活動を控えた3年生の皆さんの貴重な時間です。

そんな人たちに向けて、人生の輪郭を少しずつ形づくろうと再び奮闘する私の人生をサンプルとして見せることが、彼らの将来設計に役立つとは思えない。

 

例えば私が心から良いとメディアで書いたものがよく読まれていて人気があって、たくさんの人の役に立っていたら、価値の創造とはこうしたらいいよといえるでしょう。

 

または会社を辞めていなくて、ある程度肩書きもついていたら、「社会はこういうひとを求めています」みたいな面接の参考になるようなこともいえたかな。

 

でも今の私は、「ありのままの自分を大事にしてください」という方向で書けば書くほどオンラインマガジンであまり読まれていない。

 

帰国してから毎週一本必ず書くと決めて挑戦してみたけど、エロ記事や恋愛や占いに比べて、数字が取れない。本当に思っていることをタイトルにすると数字がさらにつかないということで、SEOを意識したタイトルを担当の方につけていただくのですが、となると「5日間で−2.5キロ!」というタイトルで興味を持ってくださった人が中身はマインドフルイーティングだったりするので、アクセス数もだんだん減っていきます。

 

「もっとわかりやすく」「もっと自分ごとだと読者が思うものを書いてください」「内容が高尚過ぎます」

そうですよね、そうですよね…。本当にゴメンなさい。

 

そこで、私なりにLINEによる復活愛の見極め方などを書いてみるも、だいぶ無理がある(笑)。

 

「役に立っていない」と思うほど、プラットフォームを提供してもらっている媒体社側に申し訳なく、ライター別ランキングをみては顔面蒼白になり、原稿が書けなくなっていました。

 

「これは絶対数字もつくし、私も届けたいし、と交差したときに原稿をお届けしよう!」と思っているうちに、1か月が過ぎてしまいました。困ったなぁ。

 

相手側に迷惑をかけてはいけないので、プラットフォームは自分で持って、ベストを尽くしながら自由に書き始めることにしたのです。読んでくださる方に対して、自分が届けたいものを心から伝えようと。それがこのマキワリ日記。コロナの自粛期間でその想いにスイッチが入りました。

 

でもまだ始めたばかりで、大切にやっている最中だから、「時期じゃない」とお断りしようと思っていました。

 

するとヨーコちゃんから「インタビューを受けてくれることで、私とアヤちゃん、受講生の思い込みのブロック解除になると思います」とメッセージ。

そう、ヨーコちゃんは教師である前に、山伏なのです。

スピリチュアル先生なのであーる。

 

そのメッセージを読みながら、私のブロック。つまり、等身大の姿を見せるのが怖いと思っている想いを見つめてみることにしました。

 

すると、自分の言っていること(書いていること)とやっていることに大きな矛盾があることに気がついたのです。

 

私は会社を辞めてからずっと「ありのままのあなたでいいですよ」「自分の感覚を大事にしましょう」と書いています。心からそう思っていて、自分以外の人がそれをしていたら、とても美しいと思っています。

 

でも、自分に対しては、条件が整った場合の(記事が人気なら、安定した収入があれば、大きな連載をしていたら、本を出していたらetc)私には価値があるけど、そうではない今の自分には価値がないと思っている。

 

足りない、欠乏している、その資格がない。

ありのままの自分にOKを出していない観念を生きているじゃないの!!!

言っていることとやっていることが一致していないのです。

がーーーーーーん。

 

ヒーリングの道って、完璧にできていますね。

これはヨーコちゃんが贈ってくれた、心の傷を癒すギフトです。

不完全な今の状態の自分が完全だと、それをオンライン越しで反応が見えない学生さんたちの前で表現する(晒す)という機会が今やってきたこと(恐ろしい!)を信頼します。

自分の弱さと矛盾に気づくだけの強さを得たということだと、とりあえず自己評価しよう。

 

またズッコケルのかもしれない。

失望されて、傷つくかもしれない。

 

でも「しくじり先生」気味な発展途上にある私を見ることで、

それが反面教師的であったとしても「人生なんとでもなるな」と思って、

学生さんたちが自分と大切な人の幸せを許してもらえるなら、

もうそれでただただ嬉しいのではないの。

 

怖いけど、怖いからこそ、やってみよう!

 

そして当日。

取材してくださった学生さんおふたりは私が書いたものをしっかり読んでくださっていて、質問が本当に愛情深いものでした。改めてインタビューは、語る相手が安心して話せる場を作るのが仕事だなと痛感させられました。

 

そして今までいろんな人に取材して、言葉を届けてきましたが、取材される人の気持ちってこういうことだったんだなぁと。それがわかったことは大きな糧でした。

 

今日授業を終えて、今は落ち込んだり「あの質問にはなんでこう応えなかったんだろう」と後悔したりがすごいあります。ズドーンときています。人前で語る人は命がけでやっているんですね。想像していたのとやってみた感覚は全然違うものだったから、やっぱり経験することって大切なんですね。

なるべくわかったように言わないように気をつけます。

これからは人前でお話されている人に改めて、さらなる敬意と感謝を深めます。

 

原稿を書いても、文字にして出した時点で過去のものになるし、気持ちをすべて文章化することはできないから、出た後は受け取る方のものになるということを理解して、手放すことには慣れていると思っていました。

 

でも何度か推敲できる原稿とは違って、しゃべるってライブで一期一会。そのときになるまで自分からも何が出てくるかわからないし、言ったらもう訂正できない。実際に質問に答えたそばから「えーー、こんなこと言っているよ、ワタシ!」となりました。勇気がいるものなんだなぁ。

 

生き方はそのまま言葉に現れるから、もっと軸を深めていきたいと思います。

思っていることを自分の体を使って行動してそれを生きるって、すっごい体験ですね! 

 

「目の前に起こることは映画で、目の前の人たちはその登場人物。あなたは脚本家です」なんて格好いい言い草を超えて、リアル感がハンパない。すごかったです。胸の真ん中がドクドクしています。

 

今日も生涯の1日なり(福沢諭吉)

精進します!