体・心・魂が求めるものに満たされた、幸せでホリスティックな生き方とは?

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ホリスティックとは、体・心・魂が求めるものに満たされた生き方。

英語にholistic(ホリスティック)という”全体的”とも訳される言葉があります。ホリスティックな生き方とは、体、心、魂の全体を生きること。わたしたちが欲するものには、体が求めるもの心が求めるもの魂が求めるものという3種類があります。つまり、体が求めるもの、心が求めるもの、魂が求めるものが統合し、すべて満たされているのがホリスティックな生き方。幸せな自分が中心になって、その輝きを周囲に広げていくような在り方です。それを、ありのままの自分を生きるとも言い換えられるでしょう。では、どうして3種類の求めるものを知り、満たすことができるのでしょうか。

体が求めるものを知るには?

まず体が求めるものですが、それは五感の感覚、”心地よさ”で知ることができます。私たちの体が満たされているとき、筋肉の緊張はとけて、全身に血液がめぐっています。お風呂に入っているとき、自然の中で鳥の声を聞いているとき、大好物を味わって食べているとき、仲がいい友だちと語らっているとき、家族や職場の仲間たちとワハハッと笑っているときなどが、体が求めるものに従っている”緩んだ”状態です。わたしがアメリカでインターンをしていたとき、そこの社長さんに「だいぶ仕事に慣れてきたようだね」と言われたことがあります。「どうしてわかるんですか?」と聞くと、社長さんは人の首から肩にかけての様子をいつも観察しているのだそう。その部分の緊張が抜けていると、その人は職場に合って、リラックス出来ているな、とわかるのだとか。

心が求めるものを知るには?

心が求めるものは、ハートの感覚、”胸が広がっているか”で知ることができます。頭で考えると、こっちの仕事や相手のほうが条件がいいけど、ハートが拡大してワクワクするのはあっち。それは心が求めているのは、あっちだというサインです。ワクワク以外にも、ホッとしたり、なんとなくしっくりきたり、優しい気持ちになったりと、そこにはポジティブな気持ちがあります。逆に、心が求めない、恐怖や不安、拒否、しっくりこなささを感じると、ハートがギュッと縮んだり、水浸しになったように重い感覚がします。

魂が求めるものを知るには?

では、魂が求めるものとはなんでしょう? 『神との対話』シリーズの作家 ニール・ドナルド・ウォルシュは、私たちはこの世界に生まれる前の小さな魂(魂)だったときに、体験したいことをあらかじめ設定してくるといいます。つまり、魂が私たちという体と心を使ってやりたいことがあり、命を受けるのです。

”命がわたしをする”。魂が求める人生に従うホリスティックな生き方。

ヴィクトール・フランクルという世界的な精神科医、心理学者がいます。優秀な精神科医だった彼は、第二次世界大戦中にユダヤ人だという理由だけで、ナチス強制収容所に収容されます。その壮絶な話は、『夜と霧 新版 (みすず書房)』に描かれています。

それは食べ物がほとんど得られず、ボロ切れのような薄い衣服を纏いながら、極寒で重労働する日々。倒れそうになって働きながら、病気になって使いものにならなければ、いやそんなこと関係なく、ちょっとしたナチスの気まぐれででも、明日にはガス室に送られるかもしれない。そんな人生に絶望し、自殺をしようとした2人の囚人がいました。それに対して同じ強制収容者のフランクルはいうのです。

「たしかにあなたたちは人生を見切ったのかもしれない。こんな毎日なら自分の手で命を絶ったほうがマシだと。でも人生はまだ、あなたに対する期待を決して捨てていないはずです。”あなたを必要とする何か”がどこかに必ずあって、”あなたを必要としている誰か”がどこかに必ずあるはずです。そして、それらは、あなたに見つけ出されるのを待っています」。この言葉に、二人は自殺を思いとどまったとか。

これが、まさに”魂”が私たちという体と心を使ってやりたいこと。魂のミッションでしょう。



魂のミッションを知るには?

それをどうして知ることができるのか? どうやって魂の求めを聞くことができるのか。そこではまず心・体の求めるものを満たしながらも、通常意識を超えたわたしたちの高次の存在(魂)と繋がる必要があります。

そのためにはまず、脳波を緩めることです。お風呂に入っていたり、好きな音楽を聴いて心が揺さぶられているとき、瞑想で脳波がθ波α波になったときの、力みが抜けているときは、思考分析活動が減ります。これは心と体が求めるものを満たした状態です。

通常意識の脳波を緩ませ、ハイヤーセルフ(高次の自分)と繋がる。

 ジョー・ディスペンザ 博士は、子どもの通常の脳波は、大人のガンマ波(40-100ヘルツ/秒)とは異なって、脳波の緊張が緩んだ状態だと述べています。例えば、誕生から2歳の赤ちゃんは、大人にとっては深い睡眠状態にあたるデルタ波(0.5-4ヘルツ/秒)、2歳前後から5・6歳の幼児は、批判精神や合理的思考がほぼないトランス・朦朧状態、明晰夢に近いシータ波(4-8ヘルツ/秒)と、睡眠・リラックス状態に近く、魂そのものに近しい状態です。そのせいか、赤ちゃんや幼い子どもたちと過ごすと、彼らがただすやすや寝そべる姿を見るだけで心が洗われた気持ちになって、自然に笑顔になったり、幸せな気持ちになったりします。

そのうえで、高次の意識、ハイヤーセルフとつながり、魂のミッションを受けます。それは木よりも森を見るような高い視点で人生の大きな地図を捉え、肉体から命の灯火が消えるその瞬間から今を見つめます。物質世界では、心と体なしの魂のみでは、肉体がある状態で存在できないので、心と体の求めるものを満たすことを前提として、ハイヤーセルフの在り方をダウンロードします。

ハイヤーセルフと繋がる方法とは? 問題を解決する、自分を超えた答えのダウンロード法

ハイヤーセルフが伝えてくる魂のミッションは、愛と思いやりに溢れていますが、通常意識のわたしたちには受け入れられない、理解不能なこともあります。そう言った抵抗が生じた場合は、丁寧に玉ねぎの皮むきをするように、内観しながら、心のブロック(シャドウ)を外していくといいです。

ハイヤーセルフと繋がれない人必見! 心の影(シャドウ)を癒す3ステップとは?

瞑想なども、ハイヤーセルフのような高い視点(メタ視点)を養うために力強い助っ人になります。マインドフルネスでも、心(感情)に自動操作されない力を育むことができます。

怒りや衝動から自由になる!古い脳と新しい脳の回路を繋ぐマインドフルネスが効く理由。

頭で考えると無理がきいても、体に不調がでたり、心や体では現実味がないことが、魂レベルでは当たり前にやれることもあります。

誰の人生も、このホリスティックな命の表現という、壮大な創造の旅路なのです。それは、身体と心と魂の全部がにっこり手を取り合うような、自分にしかわからないバランスを探す旅であり、ゲーム。悲しいことやイライラすることは必ず起こりますが、それに囚われて心と体が緊張してしまうことでプレイするのがしんどくなります。そうでなければ、その嫌な感じを利用して次元上昇しながら、魂のミッションに向かうことができます。

ホリスティックとは、この人生を目一杯遊ぶこと。

わたしたちは体、心、魂という多次元を生きています。小さい子どもはこの次元の境が薄くて、行ったり来たりがずっと自由なのでしょう。下手だから絵を描くのをやめることはありません。発音がおかしいからとバブーというのをやめる赤ちゃんもいません。そうやって成長していくのです。

体・心・魂が求めるものが一致した、純粋な魂の状態により近い、幼い人たち。彼らのように、心と体の負荷を減らし、「まぁそういうこともあるんだろうな」と目の前の出来事にオープンになっていくことで、深いレベルの“知っている”も目覚めていきます。夢を見ているときに変なことでも「おかしい」と思わないでしょう。あのオープンな感覚です。すべては起こるべきことが起こるべきタイミングに生じている。コントロールの手(思考)を緩め、向き合えるようになっていくのです。

魂のミッションに従うというと、マザー・テレサやマルティン・ルーサー・キング・Jrなんていう偉人や仏陀やイエス・キリストのような聖人にでもならなければいけないのかと緊張しますが、そんな必要はありません。ハイヤーセルフの視点において、”ねばならない””べき”ということは決してありません。”無性にやりたくて、気づいたらそれに向かって走っている”というのが、体・心・魂が一致したホリスティックな状態。

それは、子どもの頃に泥んこになりながら砂のお城や泥団子を友だちと夢中で作っていたときのような感覚。ホリスティックに生きるとはすなわち、この人生を目一杯遊ぶこと。体と心と魂の全部が喜ぶような遊び心を大切に、ということなのかもしれません。